米原万里『不実な美女か貞淑な醜女か』


不実な美女か貞淑な醜女(ブス)か (新潮文庫)
不実な美女か貞淑な醜女(ブス)か (新潮文庫)米原 万里

新潮社 1997-12-24
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 過去に他のブログに書いた記事をサルベージしておけば、私が便利なんじゃないかというシリーズ。


 1997年に新潮文庫入り、初出は徳間書店で1994年の作品ながら、今でも人気を誇る一冊。その前評判の通りにとても面白かった。
 タイトルの「不実な美女か貞淑な醜女か」とは、翻訳文のこと。原文に忠実を誓えば日本語としては不自然な代物に、美しい日本語にしようとすれば少なくとも原文の一部に背くことになる。そのことを表した一文なのである。
 当然ながら貞淑な美女が望ましいのは言うことは無い。けれども英語を含むヨーロッパ言語と日本語との距離は遠く、大抵の場合においてどうしようもない。
 だがその「どうしようもない」事情なぞ通訳を頼む側にはどうでも良いこと。成らぬ事を成し、異なる言語を一致させる無理を通してこそ通訳。
 そんな通訳の悲喜劇をユーモラスに、かつ通訳という仕事への愛情を込めて語ったのが本書。

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今更ながら米原万里を読んだのだ


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