ソログープ短編集"The Kiss of the Unborn and Other Tales"


Kiss of the Unborn and Other Stories
Kiss of the Unborn and Other StoriesFyodor Sologub

University of Tennessee Press 1978-12
売り上げランキング : 1128845


Amazonで詳しく見る by G-Tools

 以前他のブログで書いた記事をサルベージするシリーズ。


 収録作品は以下。日本語翻訳がある物には邦題を付した。
  ・The Wall and The Shadows:光と影
  ・The Worm
  ・The Hoop:輪
  ・Hide-and-Seek:かくれんぼ
  ・Beauty:美
  ・The Beloved Page
  ・The Youth Linus:少年の血
  ・Death by Advertisement
  ・In the Crowd:群集の中にて
  ・The Queen of Kisses
  ・The Search:身体検査
  ・The Red-Lipped Guest:赤い唇の客
  ・The Kiss of the Unborn:生まれて来なかった子供のキス
  ・The Lady in Bonds: A Legend of the White Night:囚われの女
  ・She Wore a Crown:花冠



 ソログープと言えば「光と影」や「かくれんぼ」だが、全く同じ系統の'The Worm'もたまには収録してよ、と言うかそれ以前に誰か日本語に訳せよと思ってしまった一冊。
 翻訳者がいないなら、既に翻訳のある「輪」や「美」でもいいんで、たまにはアンソロジーに是非……。

 死の賛美者と形容されることの多いソログープの印象とややズレるのが、「群集の中にて」と'Death by Advertisement'の2作。
 どちらに関しても「ソログープさんはポーでも読んだのかな?」と勝手に想像していたのだが、「群集の中にて」は似たような事件が実際に起こっていたことを先日知った。
 それはニコライ二世の戴冠式の日の出来事で、記念品を求めて殺到した群集が溝に落ちて千人を超える死者を出したのだそうだ。だがその夜の舞踏会は予定通りに行われ、故に国民のニコライ二世に対する感情は悪化したと言われる。彼は自ら己が最後の皇帝となる道を歩み始めたのだとも。
 もう片方の'Death by Advertisement'にもモチーフとなる事件が実際に起こっていそうで、なんとも微妙にイヤだ。

 短編集に収録されているそれぞれの作品の感想はコチラ



関連記事:
ソログープ短編集"THE OLD HOUSE AND OTHER TALES"
ソログープ短編集"THE SWEET-SCENTED NAME, AND OTHER FAIRY TALES, FABLES, AND STORIES"
ソログープ『小悪魔(モダン・クラシックス)』
『ソログーブ童話集 影繪(春陽堂少年少女文庫)』
『ソログープ短編集『かくれんぼ・白い母 他二篇』
アンソロジー『昇曙夢 翻訳・著作選集<翻訳篇2> 六人集、毒の園』



0 コメント:

コメントを投稿